糖尿病網膜症

糖尿病細小血管障害である糖尿病網膜症の発症・進展予防に血糖管理が重要ですが、最近、細小血管障害にも脂質異常症が関連するといわれています。

厳格な血糖コントロールを行っても、糖尿病網膜症が進展するのは、リポ蛋白リパーゼの発現・活性が低下し、動脈硬化惹起性のリポ蛋白が増加するというリポ蛋白代謝異常の関与がしていると指摘されており、様々な臨床研究が行われています。

FIELD STUDYでは、トリグリセライド低下薬であるフェノフィブラートが、脂質異常症を有する2型糖尿病患者の糖尿病黄斑浮腫の発生や、増殖網膜症への進展を有意に抑制し、網膜光凝固術の導入を約30%減少できたことが確認されています。
ACCORD Lipid Trialなどでもフェノフィブラートは網膜症の進展抑制に有用性が指摘されています。

今後、糖尿病網膜症の予防、治療には血糖コントロールだけでなく脂質異常症の治療も積極的に行っていくことが重要になるでしょう。

TN