運命の分かれ道 〜黄斑牽引症候群〜

加齢に伴って硝子体が縮むことにより、網膜が引っ張られてしまうことがあります。
これが網膜の周辺部に生じて裂けてしまったのが網膜裂孔で、今月9日のブログでご紹介しました。
今回は網膜の中央部(黄斑)に生じた場合をご紹介します。
OCTで網膜の断層写真を撮ると一目瞭然で、こんな感じです。

黄斑部が硝子体膜によって上に牽引されている、黄斑牽引症候群という状態です。
運が良い場合には、黄斑と硝子体膜のへばりついている部分が外れて自然治癒します。上の写真の1ヵ月後が次の写真です。

完全に正常な黄斑形態に改善し、患者さんの自覚症状も改善してめでたしめでたしです。
来週木曜日は、自然治癒せずに黄斑が傷んでしまう場合をご紹介します。
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