ベンチュリーポンプ

今日は白内障手術を21件行いました。先週に引き続き、新しい超音波手術装置シグネイチャー(AMO)を使いました。

この装置では、吸引ポンプを2種類、ペリスタティックとベンチュリーの2方式搭載しています。前者は流量一定型、後者は圧一定型のポンプで、その性質は大きく異なりますので、手術の各シーンに合わせて最適の方法を切り替えて使えるという、画期的なマシーンです。

加えて、超音波の発振が縦のみならず横へも動く、「エリプス」という方式を取り入れています。ただし、こちらは縦のみの従来の方式との切り替えはできず、ハンドピースを交換する必要があります。

エリプスのハンドピースを使うと、中等度以下の硬さの核の場合、効果は明らかです。ただし、最高度に硬い核の場合、横への動きが閉塞の邪魔をするからか、効率がやや低下いたします。これは設定の調整など、今後の検討に待ちたいところです。

閉塞しにくいということは、バーンが起こりにくいということでもありますので、創口は硬い核でもとてもきれいに保たれます。

今日は21Gのもっとも細いチップを使ったのですが、効率は十分という印象でした。

最近、海外でもベンチュリーポンプが大いに見直されているそうですが、それは、靴文化と関係しているとの話を、ある営業担当者から伺いました。仕事中に靴を脱ぐ習慣のない西洋人は、フットペダルの調整がやや大雑把となり、途中で止めるなどの細かい調整が苦手です。その点、最近のベンチュリーだと、核の分割さえ済ませておけば、ベタ踏みでもOKということで、急速に人気を集めているらしいのです。

今後、日本でもベンチュリーが主流になってくるのか、注目です。


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