頻発するIOL脱臼

今週は連休前ですので、水曜日で手術は終わりです。来週は月曜日をお休みいただきます。来週の金曜日は通常どおり外来を行います。

今日はお昼から白内障手術を19件行いました。明日はレーシック手術を予定しています。

昨日は硝子体手術2件他が行われました。そのうちの一件は以前このブログでもご紹介したかと思われる網膜剥離症例で、再剥離例でした。

この方は数年以上前に眼内レンズの縫い付けを行っていました。しかも、縫い付け糸は一針のみで、もう片方はECCE後の水晶体嚢の上に載せておりました。今回網膜剥離手術となったことにより、その嚢はどこかへ行ってしまい、IOLが中ぶらりの状態となっておりました。

再発性の網膜剥離は前回トロカーを入れた部分に開いた小裂孔が原因で、クライオ+エンサークリング+ガスにて処理いたしました。

問題は宙ぶらりんとなったIOLです。片方は縫い付けてありますので、摘出するのも能率が悪くなります。硝子体腔に浮いているハプティックを糸でつり上げる方法を行いました。

対面通糸により作ったループをハプティックに通し、つり上げました。と書けば簡単ですが、硝子体腔中で糸を操作するのはなかなか大変でした。異物鉗子で糸をつかみ、右手でIOLを固定し、なんとか通すことが出来ました。

今日の外来でも、他院で手術されてかなり経過した後にIOL脱臼を来した症例がありました。月に2例くらいの割合で、縫い付け手術を行っているような気がいたします。結構な頻度です。もちろん、当院の白内障手術で合併症によりそのままIOL縫い付けとなることではありません。


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