視神経の再生

目が見えるために最も大切な目の部位はどこでしょうか?

もちろん全ての部位は重要な役割を果たしているので、この質問に対する答えを1つに絞るのは難しいのですが、私の答えは「神経」です。
水晶体や角膜はもちろん重要なのですが、これらは病気やケガで傷んでしまっても、角膜移植や白内障手術などの治療方法があり、ある程度は改善できることが多いです。これに対して、網膜を含めた目の神経は損傷すると治らないので大変です。他の部分がどんなにきれいでも、神経がやられていると失明してしまい治りません。
つい先日、損傷した視神経を再生できたという発表が阪大の山下俊英教授らの研究チームから発表されました。(The EMBO Journal 電子速報版)
マウスによる実験で、神経再生の妨げとなる因子を特定し、さらにそれを阻害することにより視神経の再生を促すという素晴らしい研究です。近年研究の盛んな分子標的治療薬の開発につながる上に、同じ中枢神経である脳や脊髄の障害を改善させる分子標的治療薬にもなる可能性があるとのことですので、今後の検証が待たれます。
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