最近の多焦点IOL

今日もお昼から白内障手術が行われました。全20例のうち、多焦点IOLを1眼に使用しました。

使ったのはアルコン社のリストア3.0です。旧来のタイプに比べ、加入度数が4から3Dに減っており、眼前4〜50cmにピントが合うようになっています。また、中間部の視力の落ち込みが少ないのが特徴です。

多焦点IOLでは、屈折誤差と乱視が(裸眼)視力に影響しますので、とても神経を使います。これは、単焦点IOLでも同じな訳ですが、単焦点の場合眼鏡使用が前提となっているのに対して、多焦点では裸眼視力が求められる点が違います。

とはいえ、屈折誤差をゼロにすることは出来ません。一定の割合で誤差の補正のための再手術が必要となってきます。このあたりの事情は術前によく説明しているつもりですが、実際となるとご納得いただけない場合も多いのが悩みの種です。

本日の症例では、角膜乱視がやや大きかったので、輪部減張切開(LRI)も同時に行いました。

多焦点IOLで成功するための最も大きなポイントは、なんと言っても術前視力だと思います。その意味では、結局、通常の単焦点IOLと同じです。裸眼だけではなく、矯正視力も落ちていることが重要です。

きょうは私のウン十年(+1)年目の誕生日でした。外来や手術場で職員の皆さんに祝福されて、うれしかったですよ。


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