緑内障の診断

緑内障と眼圧の関係は有名で、「眼圧を下げること」は緑内障に対する唯一の有効な治療法とされていることはご存知の通りです。しかし、緑内障=高眼圧という訳ではありません。眼圧が低くても視神経の異常が出てくるタイプがあるからです。

緑内障とは眼圧の関係する因子により視神経が損傷を受ける慢性疾患ということになります。としますと、診断には眼圧のみでは不十分で、眼底、視神経の検査が必要です。「眼圧が正常だから安心」ということでは決してありません。

その眼圧にしても、測定方法により大きな差が出ます。特に、スクリーニングで一般的な、空気を当てて測定する方法では、角膜の厚みが測定値に影響しますので、信用できません。角膜が薄いと低く測定され、緑内障を見逃すことになりますし、角膜が厚いと高く測定され、緑内障のあらぬ疑いをかけられることもあります。

標準的なゴールドマン圧平眼圧測定法でも事情は同じですので、当院では、角膜厚の影響を受けにくいとされる特殊な眼圧測定法も同時に行なっています(DCT)。それにより、眼圧が思ったよりもよほど高いことがよくあり、緑内障を眼圧で見逃す恐れを少なくすることができます。

視神経の異常を正確に測定する方法として、OCT(他覚検査)と精密視野測定(自覚検査)が欠かせません。OCTは日進月歩ですが、最近は、黄斑部の網膜の厚みを測定することにより、より初期の変化を見逃さないようなプログラムが出ています。

視野検査についても、当院で採用しているオクトパス900による静的視野検査は、指標の明るさや背景輝度の工夫により、最初期の変化を捉えやすいアルゴリズムになっています。

DCT、SSOCTトリトン、およびオクトパス900が当院における緑内障診断の3種の神器です。

正確な診断により、より早期から治療を開始することができ、予後を改善することが可能になります。

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