多焦点IOLの選択

昨年の4月以来選定療養になった多焦点IOLは、緊急事態宣言が解除になったこともあり、ご希望の患者さんに多数ご来院いただいています。

 

選定療養では、日本で発売され認可を受けた多焦点IOLについて、保険診療との併用が可能になっています。診察、投薬、手術などすべて保険診療で行いつつ、手術時にレンズの代金をお支払いいただくことにより、多焦点IOLを使用するシステムです。

 

IOLの仕入れ価格を反映するように指導されていますので、当院における多焦点IOLの価格は15〜36万円です(税込)。一番安いのは2焦点のテクニスマルチ、次にEDOFのシンフォニー、高いのが3焦点のパンオプティックスとテクニスシナジーになっています。

 

これら以外に、「完全自費診療」として、ミニウェルとレンティスを残していますが、これは度数が合わないなど特別な目的で用いるためであり、ほとんどの場合、上記選定療養の範囲で選ぶのがよいです。値段が高いほど良いというわけではありません。

 

遠く、中間、近くと見える範囲が広いのが3焦点の特徴です。運動、運転、PC、読書、携帯のすべてに対応しますので、これを標準に考えたら良いでしょう。

 

2焦点のテクニスマルチは中間がボケるのでPCには向きませんが、遠くや読書の視力は出やすいです。トーリックがありませんので、角膜乱視が大きい人では使えません。

 

シンフォニーは視力を出しやすいものの、遠くから中間までしかピントが合いませんので、読書時はメガネをご使用いただくか、左右の度数に差をつけるなどの工夫が必要です。

 

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