安定したCCC

CCCとは Continuous Curvelinear Capsulorhexis の頭文字をつなげたもので、「連続した線での前嚢切開」のことです。普通は正円に作ります。この方法が、1990年くらいに前嚢切開の標準となり、現在に至ります。四半世紀もの間、他の方法に取って代わられることがないのは、すごいことですね。

CCCを開発したのはカナダのGimbelとドイツのNeuhanとされています。日本で最初に行なったのは、3月まで北里大学に居られた清水公也先生です。清水先生には1995年、当院でのライブサージェリー セミナーの術者として来ていただいたことがあります。なつかしい思い出です。

ところが、4〜5年前に、CCCをフェムトセカンドレーザーで作る器械が発売され、従来の手で作る方法との優劣が議論されているところです。

レーザーでは正確な形、大きさの切開が出来るとはいえ、短所もあるようで、「レーザーの方がマニュアルCCCよりも優れた手術成績が得られる」と証明した報告はありません。

短所の1は時間がよけいにかかること。その結果、炎症が強いというのが短所の2です。また、点でつないだ切開ですので、どうしても割ける率が高いというのが3番目の最も大きな欠点です。

レーザーに負けない、正確で形のよいCCCを作ると、IOLは光学部の周辺が360°前嚢に覆われ、完全嚢内固定となります。光学部の形、大きさはIOLにより微妙に異なること、チン氏帯が緩いと大きめのCCCが望ましいこと、散瞳状態にまどわされないことなど、いくつかのコツがあります。

術後の屈折異常を避けたい多焦点IOL移植では、安定した大きさ、形のCCCが特に重要です。

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