白内障手術で最も気をつけているのはCCC(円形連続前嚢切開)です。次は弧状ブレードによる角膜切開、次の次はハイドレーションによる創の閉鎖でしょうか。
自由自在に好きな大きさで亀裂のないCCCを作るのは白内障手術の基本です。円の大きさは大きすぎても小さすぎてもいけません。また、位置は瞳孔中心です。
円の大きさは、IOLの光学部が全周、少しだけ覆われるのが理想で、6mmの光学径だと直径が5mmくらいにします。
まず前房の維持が大切ですが、これは上質の粘弾性物質を十分な量使用すれば問題ありません。
稲富式のCCCセッシを用いて中央からゆっくり切開します。開始は必ず瞳孔中心です。
狙った線で切開するには、この「ゆっくり」がとても大切です。
テンポはアレグロでなくアンダンテ、さらにアダージオくらいなら最も良いと思います。
と言うのも、軌道が狂った時、テンポが早いとズレが大きくなってしまうからです。
アダージオなら「レガートに(滑らかに)」という意味もありますのでCCCにぴったりです。
いくらゆっくりと心がけても、フェムトセカンドレーザー装置を用いる場合ほど時間がかかることは決してありません。
アダージオCCCです。
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