多焦点眼内レンズ

昨日、今日と白内障手術を行ないましたが、そのうち16眼と半数近くの症例で多焦点眼内レンズを使いました。前にも書きましたが、多焦点は月末に集中しますので多くなるのですが、それにしても、毎月のようにその希望者が増え続けています。

今使っているのは、ほとんどすべてが先進医療で認定されているテクニスマルチレンズです(AMO社)。うち、近用加入がメガネ換算2.5DのZLBというレンズをほぼ全ての症例で使用しています。

完全自由診療のレンズ(レンティス)は乱視矯正が入っていること、矯正可能度数が広いことが利点ですが、テクニスマルチでも切開による乱視矯正を併用したり、術後にタッチアップレーシックを行なうことで欠点をカバーできます。単焦点のテクニスと同じく矯正視力が良好で、術後長期にわたって濁らないという信用もあります。

テクニスで視力が出やすいのは、レンズの光学特性が優れているのと、中心固定が良好なことの2点によるものです。

今週発売の週刊ポストで、東京の著名眼科医が「レースカット製法のIOLがよい」と書いていますが、まさにテクニスがそうです。

多焦点眼内レンズの手術では、乱視矯正を追加することの他、中心固定を確実にするため、適切な大きさの前嚢切開が必要になります。

どの症例も確実に同じ大きさの前嚢切開(CCC)を作るのは多少のコツが要るとはいえ、可能です。また、CCCに亀裂が入っては、折角の努力が台無しですので、核処理やレンズ挿入時にも気を遣います。後嚢磨きも特に入念に行ないます。

後嚢磨きには、アルコンが提供している使い捨てポリマーI/Aチップが優れています。私は、多焦点IOLを移植する際、好んでこのI/Aを使っています。

ST