神戸の震災

開業してから1年も経たない、年が変わった1月、1995年1月17日の早朝に阪神大震災が発生しました。

当日は火曜日で、手術の予定が6件ありました。手術はとにかく、診療所がどうなっているか一刻も早く出勤しようとしましたが、高速道路は不通。地道を走ると、家を出たとたんの大渋滞です。車はダメということで、電車で駆けつけました。

今から考えるとラッキーとしか言いようがありませんが、南海や大阪の地下鉄は午前中に回復していたのです。

それでも診療所にたどりついたのはお昼前でした。自宅が近かった職員はすでに数名出勤しており、「午前中に患者さんが数名見えましたが、お断りしました」とのことで、休診となりました。

器械の調子も分かりませんので、午後からの手術患者さんには中止の旨連絡いたしました。しかし、大阪市内の被害はそれほどでもなく、その週のうちに診療再開とはなりました。

大きな被害が分かって来たのはしばらくたってからのことでした。

神戸市長田区の友人手術開業医は診療所がすべて燃えてしまったとのことでした。知り合いでお亡くなりになったかたも数多く、暗澹たる気分でした(合掌)。当院から一番近くの薬局のご主人は焼けだされて、しばらく薬局の上で寝泊まりされていました。

震災後、神戸方面からこられる患者さんも数多く、「少なくとも、自分の専門の分野では貢献しよう」と、張り切って診療にいそしんだことを思い出します。

ST