穿孔性眼外傷

今週は当院では珍しく針金が目に刺さったという患者さんが来られ、傷口を縫合しました。
以前に三重県の病院に勤めていた頃は、草刈り機などで受傷された患者さんが毎年搬送されてきたのですが、都会のど真ん中にある当院では久しぶりです。
「目に刺さる」と聞くだけで、身の毛もよだつような響きがあるかとは思いますが、具体的に特に何が怖いかといいますと...
・感染
網膜剥離や網膜の損傷
特にこの2つでしょう。特に、目の中は細菌などに対してすごく弱いので、いったん菌が入り込んで感染を起こしてしまうとすぐに失明しかねません。受傷後数日は特に気を付ける必要があります。
他にも、外傷性の白内障や低眼圧、交感性眼炎などさまざまなことが起こりえます。
今回の患者さんは不幸中の幸いで、刺さった場所が毛様体扁平部という黒目のすぐ横の白目の部分でした。
ここは内眼手術の際にも器具を眼内に挿入するのに使うような場所なので、刺さっても大丈夫です。
したがって、感染を起こさなければ予後は比較的良好です。
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