臨眼2011

先週末は臨床眼科学会に行ってまいりました。
今年も8000人以上が参加し、学会会場の東京国際フォーラムは例年通りの大盛況でした。
この学会は、眼科のほぼ全分野について発表がなされますので、自分の専門分野はもちろんのこと、他にも普段あまり見かけないような疾患、もしくは全く専門外の分野などについても勉強できるのが良いところです。
というわけで、さまざまな講演や発表を見て回りました。
そんな中で、ちょっと興味を引かれたのが高齢者の調節異常です。(かなりマイナーな分野かもしれませんが...)
これまでの眼科学では、高齢者は調節力を失っており(=老眼です)、調節力の検査は意味がないとされていました。
ところが、近年開発された調節機能解析装置では、若者に見られるような「調節けいれん」を、高齢者でもたまに検出できたとのことです。
調節けいれんは毛様体の過緊張状態です。例えるならば、緊張したり、力を入れすぎたりするとピクピクしますよね。それに似たようなことが目にも起こるらしく、目の毛様体が緊張すると、水晶体が振動して生じるのが「調節微動」で、これを新しい検査機器では検出できるようになったとのことです。
実際の症例報告では、60〜70歳代で、目の疲れが激しい老眼の患者さんや、目がショボショボすると訴える白内障術後の患者さんなどが呈示されていました。
こんな身近なことでも、まだまだ知られていないことは多いので、新たな方法が登場し、新たな知見が得られていくところに面白さを感じます。
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