粘弾性物質の使い分け

東北大震災の被害は拡大するばかりです。また、福島原発の危険レベルも、本日の時点でチェルノブイリ一歩手前のところまで来てしまいました。こうなった以上、原子炉からなるべく遠くに避難するのが唯一の道と思われます。

今日はNHKを通じて、天皇陛下が直接国民にお語りかけになるという、画期的な出来事がありました。ありがたいお言葉に、思わず涙してしまいました。

昨日、本日とお昼から白内障手術が40件ほど行われました。CCCの作成時、分散型(dispersive)の粘弾性物質のひとつ、ディスコビスク(アルコン)を使いました。

粘弾性物質の役割として、前房の維持および角膜内皮の保護がありますが、術後に残留すると、眼圧上昇や感染の原因となります。前房維持作用はdispersiveでもcohesive(凝集型)でも良好ですが、角膜内皮保護にはよく貯留する分散型がよく、洗い流しが容易なのは凝集型(cohesive)のヒーロン(AMO)などであり、両者の性質は大きく異なっています。

そこで、CCC作成時は分散型を用い、角膜内皮が保護されたあと、IOLの挿入時は凝集型の粘弾性物質を用いることにより、術後の合併症を避けるという考えがあります。

具体的には、CCC時はディスコビスクを用い、IOL挿入時にはヒーロンを使います。

手術の段階に応じて最適な粘弾性物質を使い分けることにより、より良い手術結果を得ることができるでしょう。


ST