緑内障に黄斑前膜

先週の金曜日を境に、日本国中が悲しみに包まれてしまいました。阪神大震災を上回る大きな被害に、被災地の皆様のご苦労は計り知れないと思います。関東大震災、太平洋戦争に匹敵する国難です。日本人すべてが心をひとつにして、困難に立ち向かわなければなりません。

今週もまた数多くの手術が予定されています。ニュースに気を取られることなく、目の前の症例に集中しなければなりません。阪神大震災の時は、翌日が丁度手術日で、職員はなんとか出勤できたものの、患者さんの多くが来院不能で手術をキャンセルされました。今回、西日本は幸い軽い揺れで済みましたので、予定通りの手術が行われています。

昨日は緑内障の患者さんに発症した黄斑前膜(macular pucker)の手術を行いました。POAGで経過を見ていた患者さんですが、もともと右眼は視神経萎縮のため視力が(0.1)以下となっており、今回、数ヶ月前から左眼の視力が低下してまいりました。てっきりこちらも視神経の萎縮が進んだものと思っておりましたところ、ふと眼底検査をすると、黄斑が波打っているのが見えました。

特発性にパッカーが起こるのは、周辺部の裂孔、光凝固のあと、網膜剥離手術のあとなどが考えられますが、緑内障というのは聞いたことがありません。

いずれにせよ、手術が可能な分、予後は(視神経萎縮よりは)良好です。last eyeでしたのでより慎重に手術を終了いたしました。

本日の診察で、大きな出血など認めることなく、視力も少し改善傾向が見られていました。極小切開の成果だと思います。


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