春〜夏に眼科の患者さんが多くなる理由

今日はお昼から白内障手術が行われました。

毎年5〜7月は眼科の患者さんが最も多くなる時期です。8〜9月が少なくなり、年末にかけてちょっと増え、1〜2月にまた少なくなるという、2峰性になります。ピークの大きさは春のほうが大きいのが普通です。

他の科、たとえば内科では逆に寒い時期に増患するそうで、毎年6月の収支で科別の比較を行うのは不公平との声もあります。つまり、眼科のピーク、内科の谷を比較するので、相対的に眼科が売り上げが多いとなってしまうからです。

それはともかく、眼科のピークが何故春〜初夏にあるのでしょうか?

白内障手術は緊急性がないので、農閑期に集中するとの意見もありますが、手術の待機期間が数ヶ月ある現状でも同様ですので、この「説」はちょっと説得力がありません。待機期間だけピークがずれないとおかしいからです。そもそも春は農閑期ではありません。

まず、春先の花粉症が大きいですね。これで外来患者が一気に増えます。

また、6月のじめじめした気候により、感染症が増加いたします。結膜炎、角膜潰瘍、眼内炎など、普段の時期よりも多いです。

網膜の病気、網膜剥離やブドウ膜炎も春先に多い傾向があります。糖尿病網膜症の悪化、硝子体出血もこの時期によく見られます。

結局、眼科のいろんな病気のピークが春先に重なるからということになりそうです。その原因はというと全くわかりません。

大胆に推測いたしますと、花粉症、感染症は免疫系の異常。これは気候の変化の体調への影響でしょうか。一方、眼底疾患は硝子体剥離と関係しており、これも、ひょっとすると、気温や湿度の影響かもしれません。

春から夏にかけては、「緊急手術」が多くなります。


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