眼内レンズの縫いつけ

今日はお昼から眼内レンズ縫い付け手術2件他が行われました。いずれも、IOLが脱臼した症例でした。

縫いつけに使うレンズは通常の折りたたみではなく、一体型(ワンピース)です。折りたたみ型で縫い付ける利点は、傷口が小さいこと、硝子体脱出が少ないこと、眼虚脱が少なく安全なことがありますが、脱臼したIOLが一体型の場合、取り出すのに5mm以上の傷が必要ですので、どうせ大きく開けるのであれば、一体型の縫いつけのほうが簡単かつ短時間で終わります。

折りたたみ型の縫いつけでは、縫いつけの糸がこんがらがりそうな気もしますが、慣れると問題ないのかもしれません。

5mmの傷(強角膜切開)を開けると、硝子体脱出がほぼ必発です。眼圧も下がり、危険ですので、必ず扁平部にインフュージョンポートをつけて硝子体カッターも使います。

本日の症例では2例とも初回手術の嚢が残っておりましたので、IOL縫い付けの後に硝子体カッターで嚢の切除を行いました。

前房に残った硝子体は、縮瞳させたあと、角膜輪部から挿入した25Gカッターで除去いたします。

残った縫合糸が結膜下に露出しますと、感染の危険があります。必ず縫合糸は強膜の下に埋没させなければなりません。

ということで、強膜を半層に切開する訳ですが、このとき、なるべく深く切開いたします。レクトミーよりはロトミーの感覚です。さもないと、縫合糸はいずれ強膜をつきやぶって、結膜下に出て来てしまいます。


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