調節性眼内レンズ

今日もお昼から白内障手術が行われました。

先週末は大阪で白内障・屈折手術学会が行われました。坪井眼科のスタッフは院長はじめ、医師、看護師、検査スタッフなど多数参加いたしました。

白内障手術に関しては、付加価値を持った眼内レンズに注目が集まっています。多焦点眼内レンズは2年前から導入済みですが、海外ですでに発売されているにも関わらず、調節性眼内レンズは未だわが国では使われていません。

杏林大学のN先生のお話によりますと、アメリカで普及しているクリスタレンズという商品は、眼内レンズの光学部が前に動くようにデザインされておりますが、実際にはほとんど動きが確認されたことがないとのことです。せいぜい、ピロカルピン点眼時の動きを確認したとするくらいです。

人眼の調節作用は若い人では10Dにも及びます。遠方から眼前30cmくらいをカバーしようとすると、最低3Dが必要となります。クリスタレンズにはとてもそのような機能は期待できません。

そこで最近注目されているのが、光学部が2重になっているシンクロニーというレンズです(synchrony IOL)。

このレンズは3D程度の調節作用が見込まれ、実際の臨床使用でも、遠方から中間、近方30cmと連続的に見えることが確認されたということですので、ちょっと期待できるかもしれません。

問題点もいろいろありそうですので、いきなり飛びつくわけにはまいりませんが・・・。


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