浅前房例

今日は退院後初めての白内障手術でした。職員が気を遣って症例数を少なめにしてくれていましたので、何事もなく無事終了いたしました。

うちの一例は、極端な浅前房で、おまけに真っ白に乳化しているという難症例でした。

術前の前眼部OCT所見では、ほとんど前房がありません。余談ですが、前房部OCTを導入して以来、白内障患者の術前に必ず所見を取るようにしています。不用意に浅前房例に遭遇することは無くなりましたが、逆に、必要以上に身構えてしまうような気もいたします。

本日の例では、前眼部OCT所見から通常の前房形成は困難と判断し、扁平部から硝子体を切除吸引して眼圧を下げることにいたしました。

この時、硝子体を吸いすぎると、前房が逆に極端に深くなってしまい、患者さんが痛みを感じてしまいます。

23〜25Gカッターを用いることにより、自己閉鎖が良好となり、スムースに白内障手術に移行できます。

今のところ、超音波白内障手術装置に加えて、硝子体手術装置も用意しなければなりません。しかし、今後は、白内障手術装置附属の硝子体カッターでも十分となってくるでしょう。たとえば、新しいシグネイチャー(AMO)附属の硝子体カッターは2500回転対応です。

前房形成にはディスコビスク(アルコン)を用いました。浅前房例では、このようなやや硬い粘弾性物質が有効ですね。(ただし、よく洗わないと、翌日に眼圧上昇が頻発いたします)。


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