急性緑内障発作

副院長が書いてましたように、先週は白内障手術がお休みでしたが、緊急手術が2件ありました。そのうちの1件は急性緑内障発作でした。

高年齢で、水晶体が膨張し、前房隅角というところが閉塞することにより、急激に眼圧が上がり、痛みや嘔吐などの全身症状が出ます。お年寄りで体力が弱っている時に発症することも多く、手当が遅れると失明の危険があり、全身的にも認知症が進んだり、悪い影響が出てきます。

治療は外科的に手術することが一番で、手術にこぎ着けさえすれば、大抵は完治いたします。

手術は、昔は周辺虹彩切除が一般的でしたが、今では白内障手術で眼内レンズを挿入するのが一般的で、これに成功すれば虹彩切除の必要はありません。

ただし、眼圧がかんかんに上昇しており、前房がとても浅い状態での白内障手術はなかなか困難で、普通の方法では行うことはできません。

眼圧をさげ、前房を深くするため、硝子体の切除をまず行います。ついで、通常のごとく、白内障手術+IOL挿入を行い、術中に隅角の開放が不確実であれば、そのままGSL(隅角癒着解離術)を追加します。

発作の1〜2週間以内であれば、通常隅角が開放され、術後、眼圧が正常になり、視力も大きくアップいたします。

早期発見、早期手術が鉄則です。発作になっていなくても、OCTで隅角の狭窄があれば、早めの白内障手術をお薦めしています。

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