今週の手術

今週は木曜日が祝日ですので水曜、木曜の手術がありません。月曜日は眼内レンズの縫い付け手術と糖尿病に対する硝子体手術などが行われました。今日はお昼から白内障手術が20件行われました。

経結膜硝子体手術になって、インフュージョンポート(眼内灌流液を注ぐ入り口)がとても簡単かつ安全に装着できるようになりました。縫い付け手術でも気軽にポートを置けるので、手術の安全性が高まります。

縫い付け手術ではIOLの糸をどう通すかがポイントとなります。もっとも単純な方法はIOLの入る創口から針を入れ、強膜の内側から毛様溝に向けて通糸する方法です。強膜側から迎え針を入れるとより安全です。

この手術ではIOLを入れた後、前房に残った硝子体の処理がポイントになります。硝子体が一筋でも残ると、術後に瞳の形が変形し、炎症が長く残ることがあります。IOL挿入後はオビソートで縮瞳させ、25Gカッターにて前房に残した硝子体をきれいに切除いたします。

DMの硝子体出血例でも、経結膜硝子体手術になって、術後早期から視力回復を望めるようになりました。これは多分、強膜の創が小さいので、この部分からの出血が少ないこと、あるいは、トロカールを使っているので、創口付近に残った硝子体が創をタンポンするからとも考えられます。

DMや高血圧の患者さんは抗凝固剤を服用していることが多く、手術の数日前から中止していただいても、強結膜の出血はけっこう派手に来ますが、意外に硝子体がすぐきれいになるのは、経結膜硝子体手術の利点です。

硝子体手術の敷居がどんどん低くなってきていますので、今後も症例が増加していくことでしょう。


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