3種の神器

今日はアイステントの挿入術が3例ありました。症例ごとに2個入れますから、合計6個入れたことになります。うち5個は一度の打ち付けで入りましたが、1個だけ押し返されたので、前房に浮遊するアイステントを拾って再度打つことにより挿入できました。

 

アイステント挿入器具では打撃を4回まで行えます。2本のうち1本が入らなかった場合、あと2回分の打撃が残っています。4回の打撃で1本も入らない確率は少ないですが、万一そうなったら、谷戸式フックによるロトミーに切り替えることができます。

 

アイステントの所要時間は5分くらいで、白内障手術の終了間際に行います。患者さんにはその際、顔をやや横に向けていただきます。また、顕微鏡の鏡筒を斜めに傾けます。アオリのできる手術顕微鏡が必要です。

 

アイステント術後の出血はほとんどありませんので、通常の白内障手術と同じく、術後の視力の立ち上がりが良好です。患者さんにとって、時間といい経過といい、緑内障手術を同時に行ったとは気づかないくらいのものです。昔の外から切開するトラベクロトミー同時手術と比べると隔世の感があります。

 

それでいて、術後の眼圧降下作用はとても優れており、半分以上の症例でローティーンが達成できます。

 

SLT、レクトミーと並んで、緑内障手術における3種の神器と言えそうです。

 

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