緑内障手術

今週は月曜にレクトミー2例、アイステント2例、火曜にマイクロフックロトミー2例、水曜にアイステント2例と、緑内障手術が多い週でした。

 

緑内障は点眼薬のみでコントロールできることも多いのですが、眼圧下降が不十分な場合、手術やレーザーが必要となります。

 

点眼薬は副作用(充血、表層角膜炎、色素沈着、眼球陥凹など)が問題となることも多く、また、「ちゃんとさせてるかどうか」という別の問題もあります。その点、手術やレーザーでは一定期間の効果が期待できます。

 

手術というだけで拒否反応を持たれる方も多いでしょう。確かに、レクトミーなど、奏功させるまでの努力は担当医のみならず患者さんにも要求されますし、ロトミーでも術後出血により一旦視力が低下するなど、簡単ではありません。

 

しかし、手術やレーザーで眼圧を下降させることが出来れば、視野の保全効果は目に見えて良くなります。眼圧下降が長期に安定的に期待できるからと考えられます。

 

もっとも副作用が少なく、導入期に適しているのがSLTレーザーです。これだけで70%の症例がコントロール可能という論文もありますので、緑内障と診断されたらまず試みると良いでしょう。

 

ついで副作用の少ないのが、白内障手術と同時に行うアイステントです。白内障手術単独でも術前より眼圧が下がりますが、アイステントを併用すればそれよりも更に有意に下がるという論文があります。出血は軽度で、普通の白内障手術の術後経過と変わらず、患者さんのご負担はごくわずかです。

 

比較的進行した症例に行うレーザーが最近導入されました。眼圧下降の機序はSLTやロトミーと異なりますので、これらの治療と併用して相乗効果を期待できます。MPCPCという、毛様体の光凝固です。

 

レクトミーは最も眼圧下降効果があり、緑内障治療の最後の砦です(the last resort)。手術自体は難しくありませんが、術後管理が大変で、患者さんにもご協力いただかなくてはなりません。

 

これらの手段を眼圧値、進行度、年齢などを考慮しつつ適切に選択します。一度ならず、2度、3度と繰り返すことも多いです。

 

あおそこひ 奥の細道 探す旅          ぴょん

 

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