LASIK、ICL、多焦点IOLの使い分け

最近人気のLASIK。実は20年前の認可以来、屈折手術のスタンダードの地位をキープし続けています。昨日述べたように、エキシマレーザーの技術が進歩してきただけでなく、フラップを作るのにフェムトレーザーを用いるようになり、より確実、安全になりました。

 

フェムト+iDesign ウェーブフロント照射により、屈折矯正の精度が上がりました。−6Dまでの低〜中等度近視(+乱視)の治療にはLASIKが適しています。

 

精度の高い照射をすると、1Dあたりの角膜切除量が〜20μくらいと大きくなります。角膜は一定の厚みを残さなければなりませんので(400μ以上)、人によって異なるものの、平均としてー6Dくらいの矯正が限度となってくるのです。

 

−6Dより強い近視(+乱視)の矯正にはICLが適しています。ICLでは−10Dを超えるような高度近視でも矯正可能です。ただし、ー2D以下の軽い近視には対応していません。また、ICLでも乱視矯正可能とはいえ、LASIKほどの精度ではありません。乱視軸の同定が難しいからです。

 

ICLでは水晶体と虹彩の間にレンズをはめ込みます。眼内房水循環が影響されますので、白内障や隅角閉塞(急性緑内障発作)になりやすいとの懸念があります。しかし、この点について、レンズの中央に小さな孔が開けられたことにより改善されています。

 

LASIKとICLのどちらも可能な場合、どちらを選ぶか?について、残余角膜が基準以上である限り、iDesign iLASIKの方が良いと思います。ICLが眼内操作なのに比べ、LASIKは眼表面であり、万一の場合より安全だからです。

 

ICLの適応は年齢45歳以下となっています。LASIKについても、老眼が出てくる以前の若い世代でこそより効果的です。ICL、LASIKとも適応45歳以下を基準としています(タッチアップレーシックは別です)。

 

それ以上の年齢では老眼の治療も兼ねて考えていかなくてはなりません。よって、多焦点IOLによる白内障手術が視野に入ってきます。

 

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