白内障手術=屈折矯正手術

白内障手術では濁った水晶体を取り除き、眼内レンズ(IOL)を挿入します。IOLはいろんな屈折度数があり、また、乱視矯正効果を持つものもあり、更には多焦点のものもあります。

 

適切なIOLを選べば、術後、メガネなしで遠くや近く、あるいはその両方を見ることができます。若い人が、LASIKやICLで「メガネなしでも見えるようになる」というのと同じような効果です。

 

つまり、白内障手術はやりようによっては屈折矯正手術を兼ねるということになります。これを屈折矯正白内障手術と呼びます。

 

LASIKは角膜、ICLは後房、屈折矯正白内障手術は水晶体を場とした屈折矯正手術です。

 

白内障手術の場合、「術後の裸眼視力を追求するかどうか」によって、方針が大きく異なってきます。術後に術前と同じようなメガネやコンタクトをすることを前提に白内障手術をするとすれば、眼内レンズの度数は一定でも構わないことになります。水晶体の屈折力は大体18Dくらいですから、一律この度数のレンズを入れるという方針です。

 

しかし、今や、大抵の患者さんは術後の裸眼視力を問題とされてますので、ほとんどの場合、屈折矯正を考慮した白内障手術にならざるを得ません。

 

また、その部分にこそ現代の白内障手術の良さがあるのです。

 

IOLマスターによる生体計測、前眼部OCTによる角膜形状解析、種々のIOL度数計算式、トーリックIOL、多焦点IOL、などなど、すべては屈折矯正効果を上げるための仕組みです。

 

白内障手術=屈折矯正手術ということを理解することが、現代の白内障手術の原点になります。

 

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