屈折矯正手術

屈折異常は近視、遠視、乱視、老視のことで、思ったところにピントが合わない状態です。メガネ、コンタクトなしでの「裸眼」視力に影響します。

 

裸眼視力を上げるには、まず矯正視力が良好でなければなりません。適切なメガネをかけた上で調べる視力が「矯正」視力です。その上で、屈折異常をなくせば、良好な裸眼視力になります。「矯正視力良好+屈折異常なし=裸眼視力良好」です。

 

一般に「視力が悪い」とおっしゃる場合の視力とは、裸眼視力のことも矯正視力のこともあり、眼科で詳しく調べてみないと、どちらかはわかりません。裸眼および矯正視力を調べることが、眼科診療への入り口になります。

 

屈折異常を治す手術=屈折矯正手術は、裸眼視力を上げるためのものです。メガネ、コンタクトなしで、日常生活に困らない視力を得ることが目標です。

 

屈折矯正手術の代表はLASIKですので、「LASIKを受けたい」とおっしゃって来院される患者さんが多いですが、よくお伺いすると「裸眼視力をあげたい」ということですので、必ずしもLASIKの適応とは限りません。

 

LASIKが安全に行われるためには、角膜の厚みに余裕があることが前提ですので、角膜が薄かったり、近視が強すぎると適応を外れ、ICLになります。

 

また、40代後半以上の老眼世代になると、ピント合わせの能力が低下する老眼の治療も同時に行わなければなりません。LASIKやICLではなく、多焦点IOLの移植手術(屈折矯正白内障手術)の適応になってきます。

 

45才くらいを境として、ふさわしい屈折矯正手術が変わってきます。LASIK、ICLから多焦点IOLへです。

 

多焦点IOLの術後にわずかでも屈折異常(近視、遠視、乱視)が残ると裸眼視力に影響します。そんな時は、またまたLASIKが解決手段となります。タッチアップレーシックです。

 

屈折矯正手術には他に、乱視のみを矯正する乱視矯正輪部切開(LRI, limbal relaxing incision)もあります。白内障手術と同時、または単独でも行われます。

 

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