LASIKに用いるエキシマレーザー

2000年にLASIKが認可されてもう20年になります。その時に導入したエキシマレーザー装置、VISX S4 は、2度のバージョンアップを経て、20年後の今日でも現役です。当院にある手術、検査機械の最古参になりました。

 

手術顕微鏡、超音波手術装置、硝子体手術装置などは2〜3回買い換えていますし、外来でも後眼部OCTは3回、前眼部OCTは2回買っています。20年使い続けた機械は少ないのです。

 

しかも、エキシマレーザーはコンピューターで制御された精密機械です。何故これほど長寿だったかと考えると、いくつかの理由があります。

 

まず、新規参入のメーカーがほとんどなかったこと。米国2大メーカーが買収し、ほぼ寡占になったことによります。その後、ヨーロッパのメーカーがフェムトセカンドレーザーのみで近視矯正を行う機種を開発しましたが、スタンダードにはなり得ていません。

 

次に、クリックフィーを設定していること。これは、機械を使用する1回ごとにメーカーが費用を徴収する仕組みで、一見、機械の所有者にとって不利な制度のようです。しかし、メーカーにすれば、新たな機械に買い換えさせるインセンティブよりも、既存の機械でより高額なクリックフィーを取るように頑張ることになります。結果として、所有者にとっても買い換える必要がなくなり、いわばウィンーウィンになるのです。

 

VISXは2度のバージョンアップで、ウェーブフロント対応 iDesign(アイデザイン)に進化しました。その都度クリックフィーを値上げしていますので、メーカーはより売り上げを上げており、我々としても、より精度の高い矯正を患者さんに提供できるようになっているのです。

 

LASIKに加え、屈折矯正手術には10年前ごろから、ICLおよび多焦点IOLが加わっています。LASIK、ICL、多焦点IOLをどう使い分けるかは、明日書きます。

 

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