臨眼2016京都

今週は京都の臨床眼科学会に参加しています。申し訳ありませんが、金曜日の院長外来はお休みさせていただきます。

学会では旧知の人々に会ったり、最近の話題に触れることが出来るので助かります。日頃から疑問に思っていたことに回答が得られることもあります。

このところの話題は、誰が見てもOCTアンギオグラフィー(OCTA)でしょう。今回の学会でもシンポジウム他、あちこちでOCTAの話題が採り上げられています。OCTAとは、従来のOCTの器械を用いて、血流のある部分を描出する手法です。今までの血管造影検査の蛍光撮影、およびICGアンギオに匹敵する情報が、造影剤なしで、ということはショックなどの副作用なしで得られる可能性がありますので、興味津々ということになります。

それどころか、蛍光ではとても得られそうにない、新生血管の詳細が描出されたり、ICGでしか判らなかった脈絡膜の状態が判ったりとか、旧来の方法を上回る特質も得られそうなのです。

本日のシンポジウムでも、シンガポールから来られた先生が、蛍光、ICGと比較して、ARMDの再発所見がOCTAにより最も確実に得られるとおっしゃっていました。

この先生が使っておられたのは当院にもある、SSOCTトリトンでした。

当院でもトリトンにより硝子体や脈絡膜の所見を蓄積していますが、最近導入したOCTAももっと活用しなければと思った次第です。

最近このブログでも採り上げた糖尿病性黄斑浮腫(DME)の治療方法についてもあちこちで話題になっています。抗VEGF、レーザー、ステロイド、硝子体手術によるVMT(硝子体牽引)の除去、あるいは硝子体手術によるILMピールをどう組み合わせるかは、未だ結論を得るに至っておりません。

いろいろな治療法が選択できるのは良いことです。今後は、医療経済(コストの多寡)も考慮して、治療法を選択する時代になってくることでしょう。

ST