サプリメントも玉石混交

AREDS2に準拠するサプリメントは滲出型のARMD(加齢黄斑変性)の予防、治療に効果があることが学会で認められていますので、治療目的ではなくとも「目に良い」とか「疲れ目に」とかのサプリメントがよく売られており、お飲みになっている方も多いことでしょう。

しかし、AREDS2の処方は当院ホームページでも書かれていますように、その通りに摂取するとなるととても量が多くなります。当院で提供しているルテビタアイ3にしても、1日6錠が適正量ですが、大粒の錠剤が6錠となると毎日服用するのは努力が必要です。(朝3粒夜3粒にすると飲みやすいです) 

一般に安価で提供されているサプリメントは、飲みやすさと経済性を追求して必要量の成分が入っていない場合がありますので、注意してください。

また、ルテインやゼアキサンチンは自然の植物(マリーゴールド)から抽出しますので、元々の材料がとても大切です。厳選された天然素材ですので、時に色艶が異なる場合もありますが正常です。

AREDS2処方のサプリメントは萎縮型のARMDには効果がありません。軟性ドルーゼ、滲出、浮腫、出血、白斑、などの所見に対して有効です。

特に大切なのは視力低下を来す前の初期病変から服用することで、黄斑部を含む大きな病変へ移行することを防ぎます。

片目ずつでカレンダーの中心を見た時、端の方で歪んで見える部分があれば、眼科を受診してください。黄斑部近傍の大きな軟性ドルーゼや脈絡膜新生血管の可能性があります。

この段階でサプリメントをきっちり飲むと、進行を予防できます。
服用前(2017.2.18)
服用4ヶ月後(2017.6.10)

写真上は67才男性に見られた黄斑近くの脈絡膜新生血管のOCTA像。(坪井眼科で撮影)

下はルテビタアイ3服用4か月後です。新生血管が縮小しつつあります。

抗VEGF薬の硝子体注射が必要なほどのARMDでは、できればサプリメントも併用していただきたいです。

ST