二宮金次郎と大村さん

私が小学生の頃は日本全国どこの小学校にも「二宮金次郎二宮尊徳)が薪を背負いながら本を読んでいる姿」の像が校門の側にありました。担任の先生に「二宮金次郎はな、家の手伝いをしながら勉強も一生懸命したんや。お前らも金次郎を見習え!」と、言われました。

今の小中高生は勉強、塾、塾以外のお稽古ごとに多くの時間が割かれて、家(親)の手伝いをするどころか親は子の運転手と、食事作りなどの世話で振り回されている人がたくさんいます。教育に熱心な人ほどこの傾向は強いように感じます。(そういう私も子供の塾の送り迎えをしてました)

最近、雑誌で見た記事に、東大理3(医学部進学課程)に3人の息子さんを合格させたお母さんは「手伝いをさせるなら勉強させる」「散らかすのは子供かた付けはお母さん」「学校へ行く支度も過去問の答え合わせも母の仕事」とありました。

そして、この記事を見た数日後にノーベル医学、生理学賞に輝いた大村智さんのことを新聞で知りました。

「農家の長男として生まれた。家の手伝いは大変だった。早朝に起こされて野良仕事。中学までに一通りの仕事をできるように厳しく叩き込まれた。高校3年の時に父親が勉強したいなら大学に行ってもよいと言われた」

その後も朝は大学で研究、夜は高校、夜間部の教壇に立たれたそうです。

大村さんは「二宮金次郎」みたいだったのです。

偏差値の高い大学に合格することが最終目的なら上記のお母さんのやり方がいいのでしょうが、我が子の人生が幅が広くて奥行きのあるものになれば良いな..と思うなら、家の手伝い、親の手伝い、労働などを経験するのがいいのでは?と思います。

子供の頃の経験はどんな些細なことも無駄にならないように思うのは私だけでしょうか?

Y.T