急性緑内障発作

冬になって寒くなると、眼圧の上がる人が増えます。血圧と眼圧は直接関係してはいませんが、末端の血管が収縮すると上がるのは同じで、眼圧の場合、循環不全により流出障害が起こり、上昇する傾向になるようです。

今月に入って、急性緑内障発作の患者さんが数名来られました。隅角が閉塞して急に眼圧が上がる症状です。早期に退治しないと、慢性化して視神経に障害を来たし兼ねません。

急性緑内障発作の場合、癒着する前に手術的に閉塞を解除すると、何事もなかったかのように治ることが多いです。

ではどうするか?白内障手術により閉塞を解除し、癒着部分を剥がす手術を追加します。眼圧が上がった状態での手術では、硝子体の切除を併用する必要があります。また、往々にしてチン氏帯が緩んでいますので、普通の白内障手術に比べむづかしいです。

白内障手術の経験はもちろんのこと、普段から緑内障手術にも慣れており、術中の隅角観察が可能で、硝子体手術にも堪能、という、眼科手術医としてオールマイティな力が必要とされます。

隅角癒着乖離(GSL)では、昔からスワン=ヤコブの直像式隅角鏡が標準でしたが、操作が煩雑になり、360°観察が不可能という難点がありました。

ところが、最近では、京都府医大の森和彦先生が開発された、反射式術中隅角観察レンズ(モリゴニオレンズ)がありますので、随分と楽になりました。

今や隅角手術では欠かすことの出来ないアイテムです。

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