日帰り網膜剥離手術

今日の外来で、50代くらいの白内障の患者さんが、「本当に日帰りで手術が出来るのですか?」と聞いて来られたので、逆にとてもびっくりしました。患者さんの意識の中で、日帰りが当たり前になっているものと勝手に思っていたからです。

今かかっておられる大学病院では、白内障は入院の上、片眼1週間の入院が必要と言われたそうです。これが歴史と信用を誇る、洛北の有名国立大学病院ですから、患者さんがまごつかれるのもやむをえませんね。

世界標準でいえば、白内障手術は日帰りが当たり前です。日帰りのメリットは数多く、当院のホームページでも書いております。

しかしこれが網膜剥離となると、必ずしも日帰りが良いとは言えません。術後の安静や、体位の維持などが必要となってくるからです。アメリカでは網膜剥離も日帰りがメインですが、患者さんの体力の差もあるような気がします。

先週行った網膜剥離症例は、大きな裂孔が2カ所開いており、いわゆる難治例になります。「入院先を紹介しましょう」と説明したのですが、どうしても日帰りでやってくれとのことでしたので、当院で手掛けることにしたのです。

術後の安静が不確実であることを予想し、シリコンオイルを最初から使うことにしました。シリコンオイルだと、確実に裂孔が閉鎖されるまでの期間、しっかりと網膜を押さえてくれますので安心です。

ただし、入れたままにはできませんので、数か月後に再手術が必要となります。

ガスが無くなって再剥離、再手術になるよりは余程楽と思います。PVR(増殖性網膜症)になる危険も少ないですし・・・。

ST