緑内障:長期的なフォローアップの重要性

緑内障の原因は様々ですが、いわゆる体質的な要素が非常に大きいです。

目の発生段階などの早期に緑内障が発症すると、眼圧(目の中の圧力)に押されて角膜が大きくなってしまいます。(巨大角膜)
この巨大角膜について、高名な眼科名誉教授がお書きになったコラムが興味深かったのでご紹介します。
出生後に黒目が大きいと紹介された生後間もない赤ちゃんがいました。
その名誉教授が診察された時点では、眼圧は正常ではっきりとした緑内障の所見は認めませんでした。(極めて珍しいです!!)
名誉教授はこう推察されました。
「眼球の発生段階でいったん眼圧が上昇した後に正常化したのだろう」
そして、ご両親が転居される際に、今後も緑内障発症のリスクが高いので、しっかり眼科受診を続けるように説明されたとのことです。
その後、18年くらい経って、その子がなんと名誉教授を見つけて診察に来られたそうです。
就学後に眼圧が上昇し、両眼とも緑内障の手術を複数回受けて視機能を保っておられたとのことした。
両親が医師の指示を守って、長期にわたって子供にきっちりと診察・治療を受けさせたのが奏功した、とても良い1例だと思いました。
もしもこれを放置していて、緑内障末期になってから受診したのでは手遅れです。
未来の長い子供ならなおさら。
私も、長期のフォローアップが大切であることをしっかり患者さんにお伝えしようと改めて思いました。
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