テーラーメイドのIOL

テーラーメイドとは自分専用に誂えるとの意であり、ゴルフクラブや服だけかと思っておりましたが、実は、眼内レンズでもこれがあるのです。

普通、眼内レンズは球面度数が0.5D刻みとなっており、また、円柱度数(乱視矯正)は入っておりません。メガネで、乱視度数がなしで0.5D刻みだと、多分、矯正視力が十分には出ないと思われます。眼内レンズの場合、術後に裸眼ではなく、メガネによる追加矯正を前提としておりますので、これでよいわけですが、術後に裸眼での生活を実現となると、これでは不十分ということも考えられます。

メガネと同じように、球面度数をきっちり合わせ、乱視も矯正しなくてはなりません。

ドイツ製の屈折型多焦点IOL、レンティスの場合、患者さんの眼に合わせて、球面度数、円柱度数とも0.01D刻みでオーダーすることができます。これは画期的です。

検査による多少の誤差が考えられるとはいえ、理論的には完全矯正が可能ということですので、レンズの性能も最大限に発揮されようというものです。さすがポルシェを作る国だけのことはあります。

検査結果を得て発注し、実際に手に届くまで6週間くらいかかるようです。また、同じレンズをバックアップ用にもう一枚、計二枚、送られてくるそうです。これなら術者も患者さんも安心ですね。

レンティスを用いた白内障手術は自費診療となります。術前検査、手術、レンズ代金、投薬、術後経過観察等すべて含めて、片眼につき60万円(消費税込み)となります。

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