IOLの強膜内固定

今週も月曜から金曜まで、午後は手術がいっぱいいっぱいです。月曜日は硝子体出血に対する手術、および、IOL脱臼例に対する強膜内固定を行いました。

先週の月曜日もIOLを縫い付けましたが、今回は同じような症例に対し、眼内レンズの足の部分を強膜の中に固定するという、最近流行の方法で行いました。

従来の縫い付け法はとても長い間行って来た方法ですが、欠点として、硝子体出血、脈絡膜出血、術後眼内炎など、普通の白内障手術ではもうほとんど見られなくなった重篤な合併症が起こりえる可能性があります。これらはすべて、眼内から外への糸によるものですので、糸を用いない固定はこれらを避け得る可能性があり、とても魅力的なのです。

ワンピース型のIOLではなく、昔よく用いた3ピース型の折り畳みレンズを用います。特殊な眼内鉗子により、足を強膜外に出し、Vランスで作った強膜トンネルの中に固定します。

要領としては、極小切開硝子体手術の続きのようなもので、強膜トンネルに足を誘導するための特殊な鉗子が必要です。

縫い付けは開業以来月に1例以上のペースで行ってきました。ということは、200例以上くらいということになりますが、中で、硝子体出血はしょっちゅうですし、激しい脈絡膜出血(駆逐性出血)を3例、晩期眼内炎を1例経験しております。

これらの合併症が避けられるのなら、多少、固定が不十分でも納得という気がいたします。

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