昨日の手術

今週は月曜日に硝子体手術を2件行いました他は、週末の学会のため、白内障の定期手術をお休みしています。

昨日の手術のうち一例は、水晶体亜脱臼例に対する、多焦点眼内レンズの強膜内固定という、なかなか濃い内容の手術でした。強膜内固定は3ピースならばどのようなレンズでも可能で、また、一旦固定されるとよく安定するという良さがありますが、手術自体はやはり縫い付けのほうが簡単です。

強膜内固定では、眼内鉗子によりIOLのループを受け渡しする部分がやや困難で、IOLの足がはずれて最初からやり直しということもしばしばです。昨日は同じレンズをなんと!5枚も用意していたのですが、幸いといいますか、2枚目で固定に成功いたしました。

2例目は急性緑内障発作の緊急手術でした。点滴や点眼では眼圧が30mmHgアップとさがらず、吐き気等が収まらなかったので、即日手術ということにいたしました。下は手術前のOCT写真で、隅角の閉塞が確認できます。

硝子体を一部取り除き、眼圧をさげてから、通常のとおり、眼内レンズ挿入術を行い、レンズを入れた後、虹彩癒着解離術を追加します。

本日の診察にて、眼圧がスパっと下がって全身症状がなくなり、患者さんもとても喜んでおられました。下は術翌日のOCTで、プラトー虹彩は残っているものの、周辺部の閉塞が解放されています。

昔は悪性緑内障ともいって難治疾患でしたが、今や、最も手術的治療効果の高い、良性疾患と申せましょう。早期発見、早期手術により、慢性的な閉塞隅角緑内障は姿を消しつつあります。

ST