治療のジレンマ

本日のNHKの番組「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」に、脳神経外科の坂井信行先生が登場しておられました。
坂井先生は脳動脈瘤に対するコイル塞栓術の第一人者で、まさに不眠不休の努力で患者さんを治療しておられます。
名医であればあるほど難症例も増える傾向にありますので、私などには想像もつかないような困難も数多く乗り越えられてきたと思います。
そんな坂井先生が、治療のジレンマのお話を番組の中で述べられていました。難症例の手術後、まだその患者さんの容体が思わしくない状況の中で、また次の難症例が搬送されてきた場面でした。
「治療困難な患者を放置すれば死に至る。しかし、治療して後遺症が残れば我々の責任となる。ジレンマですよ...」
それでも坂井先生は、次の手術も無事にやり遂げられます。

(写真:深夜2時に手術に向かう坂井Dr)
http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0408/index.html より)
眼科の手術では脳外科のように命に係わる場面はありませんが、それでも失明につながるような事態は常に起こりえます。
当院でも時折、他院で手術を断られてきたような難症例の患者さんが来院され、しかも手術を行わなければ余計に状況は悪化していくという困難な局面に遭遇することがあります。
当院の坪井院長はそんな時にも臆することなく、リスクも天秤にかけた上で、手術が最善と判断すればそれを選択されます。
私も坂井先生と院長を見習って、勇気を持って最善の治療を選択したいと思います。
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