IOL縫い付け手術

今週は月曜日にIOL縫い付け手術など4件、昨日は白内障手術が20件と、相変わらず忙しい日々が続いています。

縫い付けでは、最近、糸を使わず、強膜ポケットに固着させる方法がはやっているようです。しかし、当院では従来の方法でそのまま行っています。縫い付け手術の最も危険なところは、縫合針による出血とされています。術中〜術後に脈絡膜出血を観察し、もう一歩で駆逐性出血ということを経験したこともあります。

これを避けるためには、白内障手術と同じように、眼圧を一定以上に保たなければなりません。そのため、硝子体手術の併用は必須で、必ずインフュージョンポートを確保します。また、創口は自己閉鎖創とし、眼圧が下がる時間帯を最小限に食い止めます。

25G硝子体カッターを角膜輪部から使えば、瞳孔縁や創口の硝子体の処理も完璧に出来ます。

とはいっても、縫合糸を眼外から内へ通す際は、必ず眼圧が下がります。ここでもたもたしてしまうと、危険がいっぱいです。

このように、慣れるまではとても苦労しますので、これからこの手術を学ぶ人にとって、縫合糸を使わず、折りたたみレンズを強膜に固定する方法のほうが、とっかかりがよいかもしれません。

脱臼しているのが眼内レンズということが多いのですが、この場合の摘出創は幅6mmで、簡単に自己閉鎖創を作れます。しかし、水晶体脱臼の場合、ICCEとするためには、創幅が8mm以上となり、自己閉鎖がやや難しくなります。水晶体が硬くなければ、フラグマトームで経扁平部的に摘出します。

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