ピアノ作曲家

最近、ピアノを弾く時間を少し増やしています。あちこちで演奏する機会を予定していたりして、人前で演奏するには練習が欠かせないからです。

自分の楽しみのためならば、少しぐらい細部をごまかしても別にかまいませんが、人前では通用しません。また、人に聞かせるとなるとかならず緊張して、いわゆる「あがった」状態になります。よほど余裕をもって曲を手の内にしておかないと、細部のごまかし=弾き飛ばし、あるいは記憶障害に陥ってしまい、練習の時からは考えられないほどのひどい演奏になってしまうことがあります。(過去にそのような嫌な記憶がいっぱいあります・・・)

演奏旅行をしているような有名な、一流どころのプロのピアニストでさえ、事情は変わりません。その証拠に、20世紀の巨匠リヒテルはあるころから、楽譜を見ながら演奏会をするようになりましたし、アルゲリッチとて、記憶喪失を恐れて個人のリサイタルは行っていません。いわゆる合わせ物、室内楽ならば堂々と楽譜を見れますので、問題ありませんが。

結婚式などで酔った勢いで弾くと最低の結果が生まれます。やはり、周到に準備をしておかなければなりません。

ということで、テクニックを基礎から見直すということをしています。そのためには、現代ピアノの表現力を生かした楽曲の練習が欠かせません。たとえば、バッハ、モーツアルト、ベートーベンなど、バロック〜古典のピアノ曲は、現代ピアノのための曲ではありません。オルガンに近い、強弱が出ない、音も小さい、そのかわりすばやく打鍵できる鍵盤楽器(チェンパロや昔のフォルテピアノ)のための曲です。

現代ピアノのための曲として、まずショパン、そしてリスト、あるいはドビュッシー、ラベル、ラフマニノフプロコフィエフあたりの曲を練習しなければなりません。

そのような曲を弾き続けると、爪が割れてくるのが難点です。集中して練習すると、肉の薄い人差し指の爪が割れます。バンドエイドが欠かせません。


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