山中先生にノーベル賞

昨日は京都大学の山中教授のノーベル賞受賞の話題で持ち切りでした。山中先生は医学部を卒業し、一旦整形外科医として勤務されたあと、医学研究の道を志され、50才で今回の偉業を達成されました。これは同じ医学部の卒業生として、とても感慨深いものがあります。

医学部を卒業してもすぐに一人前の医者になれるわけではありません。卒後数年〜10年くらい、あれやこれやと経験する間に、医学研究も重要視されます。研修と研究はいわば車の両輪のようなものです。

ということで、勤務医として働くかたわら研究にもいそしむということになりますが、本当にレベルの高い研究は、臨床の片手間で行えるものではありません。山中先生は研修医を終えた卒後2年の時点で臨床をあきらめ、基礎医学に進んだとおっしゃっています。この思い切りの良さがその後の偉業に繋がったと思います。

とはいえ、ノーベル賞を受賞するとは、医学部卒業生の想像をはるかに越えた出来事でした。というのも、基礎医学研究の担い手は、理学部や工学部卒のPhDにほとんどとって代わられているのが現実だからです。

山中先生のご発言には、「患者さんのために」ということがよく出てきます。これは、短期間であれ臨床を経験した医師ならではの発想です。

今回の受賞で、医学部の大学院生や研究者はとても勇気づけられたことでしょう。

ST