超音波手術装置の設定

今週は白内障手術も火、水、木と3日行われます。おまけに、金曜日にはLASIKと眼瞼手術が予定されています。

今日は超音波手術装置の設定についてひとこと。Infiniti Ozil IPを導入以来、いろいろと設定値を見直してきました。最近になってようやく落ち着いて来たように思います。

自分を装置に合わせるのではなく、装置を自分の方法に合わせなくてはなりません。さもないと、いつもストレスがつのります。私の方法は、1)pre-chop 2)phaco-chop 3)post-chopを核の硬さに応じて使い分けることです。1)は吸引をかけずにまず核を割ります。核硬度1から2ならこの方法です。2)では永原原法どおり、吸引をかけつつチョッパーを使います。核硬度3から4です。3)では中央部分の核をまず掘り、ドーナツ状にしたあとチョップを行います。核が最高に硬い場合に行います。

私は福山市の三好輝行先生がデザインされたチョッパーを10年間使い続けています。それまでは普通のシンスキーフックで行っていました。三好チョッパーに慣れてしまうと、他の器具を使う気がしません。

2)と3)ではある程度の力で核を保持する必要がありますので、超音波がかかる前に吸引圧が上がっているのが望ましいです。Infinitiでは圧一定、流量コントロールあるいは流量一定、圧コントロールを選択できますが、チョップを行うには前者のほうが向いていると思います。

3)で硬い核を溝掘りする際には、torsionalの横振動よりも縦振動のほうが効果的です。Ozil IPで横振動を100にするのではなく、ある程度縦振動の割合を入れることにより、溝掘りが楽に行えるようになります。

設定はこの3通りで、核の硬さを想定してあらかじめ決めておきます。手術の最中に変更することはあまりありません。

どんなに核が硬くとも、あるいは前房が浅くとも、術翌日には矯正視力(1.0)以上になっていることを目指しています。


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