極小切開白内障手術

今日は白内障手術18件、翼状片切除2件が行われました。

当院における白内障手術では、角膜切開の傷の幅をなるべく小さくするようにしています。いわゆる、極小切開手術です。幅が2.4mmのメスで実測2.2mm幅の切開創を作り、そこから、水晶体摘出および眼内レンズの挿入を行っています。

切開創を小さくすることにより、術後の炎症、視力回復、乱視について優位となります。

以前は2.5~3.0mmの切開創でした。これでもいちおう小切開ですが、角膜の径が10mmくらいですので、それに比べて圧倒的に小さいということではありません。幅2.2mmと2.5mmでどれだけ違うかを検討しますと、術後の経過において2.2mmのほうが優れていることがデータとして示されます。

硝子体手術の時、同時に白内障手術を行うことも多いのですが、2.2mm切開ですと、硝子体手術の操作、具体的には輪部から数mmのところで針をさす時、白内障手術の創が開くことはありません。しかし、2.5mmですと開くのが普通で、従って、硝子体手術の前に一糸縫合いたします。

このことから考えると、術後、2.2mm切開だと、患者さんが誤って目をこすったとしても、多分、創は開くことはありませんが、2.5mmだとひょっとするとということも考えられます。このことにより、2.2mm切開のほうが感染予防対策としても有利であることを示しています。

ただ、2.2mmの切開創から挿入可能な眼内レンズが限られているのが難点です。当院ではH社のiMicsを主に用いていますが、このレンズは、小切開から挿入可能というだけではなく、いろいろな点で優れている、素晴らしい製品です。

たとえば、カートリッジにセットする際、粘弾性物質が不要なため、節約できること、あるいは、術後グリスニング(濁り)などが生じにくいこと、更には、異常光視現象(視界の端に暗い部分が見えて気になるとの訴え)が比較的少ないことなどです。


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