白内障手術装置

今日はお昼から白内障手術が行われました。手術は二部屋を行き来する形で行われますが、そのうちの一つで新しい超音波手術装置を使用いたしました。B&L社ステラリスのペリスタポンプタイプです。切開幅2.2mmから安全かつ効率よく手術が出来るようになっています。

秋の臨床眼科学会でしゃべるネタを探すため、過去の手術データを調べてみました。開院の1994年以降、年ごとの白内障手術件数、そのうちのECCEの数、後嚢破損の数などを調べますと、2001年を境にぐっと成績が良くなっていることがわかりました。

ECCE率および破嚢率は低下し、手術所用時間も有意に短くなりました。さらに、術後のフレア値も低くなっておりますので、手術の改良が臨床経過の改善に結びついています。実感していたこととはいえ、こうしてデータで確認すると、感慨深いものがあります。

手術時間の短縮だけを競ってもあまり意味がありませんが、臨床経過(術後の結果)の改善につながっているとなれば話は別です。

2001年に突然腕を上げた訳ではありません。実は、その年から、現在使用している、ソブリン(AMO)を使い始めたのです。新しい超音波装置(当時)の導入により、これだけの差があったとは、驚きです。

そのソブリンも10年目にはいり、新しい器械との入れ替えが必要となってきています。ただ、データで見る限り、今回も今以上の結果を新しい器械で果たして得られるのか、はなはだ疑問ではあります。ECCE率、破嚢率とも日本国の公定歩合なみの値でこれ以上下がりようがないからです。

ただ、経過は同じでも、より安全な器械により、術者のストレスはより軽くなります。そのあたりが選択のポイントになってくるでしょう。


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