ICLのキャンペーン

今週の月曜日には、有水晶体眼内レンズのICL(Implantable Collamer Lens)を一名の患者さんに行いました。ICLはLASIKの適応をはずれた、高度の近視の矯正に用いる方法で、視力の予後がとても良好ですし、手術自体、白内障手術の応用版ですから、安全に行えるのが良いのですが、欠点はただひとつ、値段でした。

屈折矯正ですので保険はききません。また、LASIKとは異なり、材料費としてレンズ代がかかります。また、術前にレーザー虹彩切除(LI)も必要で、レーザー装置の用意もしなければなりません。あれやこれやで、結局、LASIKの倍以上の値段がかかってしまいます。

少しでも敷居を低くするべく、今回、キャンペーン価格を設定することにいたしました。

従来の価格80万円(両眼)を当分の間70万円に値下げいたします。

ICLの手術は比較的容易ですし、屈折の誤差はあまり考える必要がないほど正確ですが、選択するレンズのサイズにはとても気を遣います。

サイズが大きすぎると、レンズが前に突出して角膜を傷つけたり、緑内障の危険が出てきます。逆に小さすぎると、レンズは水晶体に接着し、白内障の危険があります。ちょうどよいサイズでなければなりません。

ちょうどよいサイズとは、ICLの後面と水晶体前嚢との距離が角膜厚の半分くらいになる大きさです。そのためには、患者さんの毛様溝間距離を正確に測定しなければなりません。

測定のデファクトスタンダードはオーブスキャンという装置です。当院ではたまたま10年以上も前から角膜形状解析装置としてこれを購入してありましたので、ラッキーでした。

しかし実際のところ、黒目の大きさを正確に測定するのがもっとも原始的ですが確実でもあります。さっそく、キャリパーをいくつか購入いたしました。

ICL後面と水晶体との距離を「vaulting」と呼びます。これは、当院にある前眼部OCTにより、正確に測定できます。ICLはなんやかやといろいろな器械が要る手術です。


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