CCCの大きさ

インターネットの時代になって、情報の共有化が一気に進み、ウィキリークスに代表されるように、専門家にとってちょっと困る事態も発生しています。

医療の分野でも、患者さんにとって疾患の理解が進んだのはよいのですが、ネットの知識を丸呑みして「こうなるはずなのになっていない」と不満を抱かれる方もまた増えて来ているように思います。ネットに氾濫している情報は出所不明のことも多く、話半分に考えた方がよいです。

さてそんなネット社会でも、学会の提供するメーリングリストは、専門家にとってホットな話題が即時に伝わって来て、重宝いたします。学会では訊けないような細かいことでも、ネットの匿名性のなせる技でしょうか、簡単に話題になってしまいます。

最近では例えば、白内障手術で「溝掘り法が簡単かつ安全で良いのだけれど、CCCが大きくなりすぎる感じがする、どうよ?」といった質問がありました。

「そんなこと考えたことない」とお思いの先生方も多いことでしょうが、Divide & Conquerで行っている限り、当然起こりうることです。核が硬くなればなるほど、赤道部付近まで溝掘りが必要となりますので、安全上、CCCを大きくせざるを得ないからです。

CCCが小さくとも、あるいは瞳孔が小さくとも、同じように手術が行えるという点では、掘らずに割るフェコチョップ法が優れています。

しかし、核があまりにも硬すぎると、掘らずに割るということは不可能になってきます。そんな時は、水晶体の中央部を円形に掘り、残ったドーナツ状の部分をチョッピングすれば良いと思います。

CCCを行い、核が柔らかい時はそのまま分割し、硬い時は掘ってから分割するという風にすれば、全例同じように、直径5mmくらいのベストサイズCCCにすることが可能ですし、ECCEも必要ありません。

白内障手術が屈折手術としての側面を強めている今、CCCのサイズにこだわるのはとても大切なことです。


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