本年の回顧ー屈折手術

今日もお昼から白内障手術が行われました。特に問題もなく、無事終了いたしました。

LASIKなどの屈折手術は当院の目玉のひとつです。臨床眼科学会でFt先生が発表されたSBKは、薄いフラップで安定した視力を出せますので、今では大多数の症例で行っています。照射方法はウェーブフロントによるカスタム照射がメインです。

屈折手術は他の眼科手術とは異なり、裸眼視力が期待される手術です。しかし、100%の症例で視力1.0以上ということはありえません。原因は誤差であったり、体質であったり、あるいは適応外であったりと様々ですが、とにかく100%ということがありえないのが、術者側にとって最も困ったことになってきます。

たとえば、右目が1.2、左目が0.8の場合、満足する方もおられれば不満足の方もおられます。不幸にして両眼とも0.5ということになれば、患者さんは大きな不満を覚えられる可能性が高いですが、残念ながらこれを100%避けることは出来ません。

確実、といっても99%くらいですが、に治る症例ばかりを相手にするには、30代以下の軽度近視で角膜厚が520ミクロン以上という条件をつければよいのですが、実際に手術を希望されるのはもっと条件の悪い、高度近視の方が多いのです。

高度近視でなぜ成績が落ちるのかは、レーザーのしくみを理解すればすぐわかります。近視が強いほど角膜に形成されるレンズの精度が落ち、有効光学径が小さくなるからです。−6D以上の近視だと、有水晶体眼内レンズのほうがLASIKよりもよい成績になると報告されています。当院ではまだ始めたばかりですが、ICLの結果はとても素晴らしいものです。

当院に来られる患者さんでも、3〜4名におひとりくらいの割合で、LASIKよりもICLをお勧めしたくなることがあります。しかし、価格の面で折り合いがつかないことが多いのは残念です。


ST