本年の回顧ー白内障手術

今日はお昼から白内障手術が行われました。今週は月から水までが白内障手術、木が屈折矯正手術、金が眼瞼手術とフルに手術が予定されています。年内の予定手術は来週前半で終了です。

今年は4月と6月に手術をお休みしましたので、昨年ほどは白内障手術の数をこなすことが出来ませんでした。そのため、手術の待機期間が3ヶ月くらいまでに伸びています。手術日を増やすなどして、追いつけるように努力していますので、来年の半ばくらいには待機1〜2ヶ月に戻せると思います。

今年は多焦点レンズに加え、乱視矯正(トーリック)IOLも導入いたしました。トーリックは軸決めが大切ですが、当院では前眼部OCTによる虹彩紋理認識法を採用しています。虹彩紋理上に角膜マップを投影することにより、ほぼ完璧に軸を特定することができます。

この方法の欠点としては、手術日の散瞳下では測定困難な点があげられます。軸決めは手術の前日に行わなければなりません。

今年経験した大きな合併症としては、眼内炎を2例(も)経験いたしました。ここ数年は一例も経験しておりませんでしたので、まさに青天の霹靂ということになります。幸い、硝子体内抗生物質注入により、押さえ込むことができました。

多焦点IOLは症例をしぼりつつ続けておりますが、全体にしめる割合は1〜2%程度とやや減少しています。

新しい(超音波手術)器械をいくつか試用いたしました。新しいコンセプトになればなるほど、より効率的になり、また安全になっております。また、硝子体手術も可能なオールインワンの器械も登場してきています。ただ、現行のソブリン(AMO)でも十分とも考えられます。というのも、今年も昨年に引き続き、ECCEに転じた症例は一例もなかったですし、破嚢率も十分に低かったからです。


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