手術適応の判断

今日は昨日と同じく、お昼から白内障手術が行われました。執刀開始は2時、終了は4時30分でした。

当院へは毎日たくさんの患者さんに来ていただいていますが、中には、他院で何らかの眼科手術を勧められ、当院へセカンドオピニオン、あるいは転院のため来院される方も多いです。そんな時、前医とのかねあいで、ちょっと説明に困ることも多々あります。

白内障にしろ、眼底疾患にしろ、あるいは緑内障にしても、手術が必要という判断には大きな幅があります。ある医者が手術適応と判断しても、別の医者は非適応とすることも多いのです。手術適応の判断には、疾患そのものの状態に加え、担当医がその手術にどれほど習熟しているかということも関係してきます。とても一筋縄ではまいりません。

私が手術の適応と判断しても、別の医者にかかれば「まだ早い」となることもあるでしょうし、その逆も当然あり得ます。

少なくとも2段階以上の視力低下を来すであろう、明らかな白内障がある症例で、OCT所見上、軽度の黄斑前膜がある場合はどうでしょう。硝子体手術との同時手術をするか、あるいは白内障の単独手術をするかということですが、この場合、私ならばまず白内障の単独手術を行います。

OCT上の黄斑前膜は必ずしも視力低下を伴うとは限らないからです。

ところが、前医で「白内障と同時に硝子体手術をしないとダメ」との説明をすでに受けていたらどうなるでしょう?患者さんの先入観を覆すのは容易ではありません。

患者さんにとって、「あそことこことで医者の言うことが違う」と思われることもあるかもしれませんが、よく説明を聞かれてご納得いただくことが大切です。


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