低血糖時の視覚異常

低血糖障害時の視覚異常で75%が目のかすみを経験、事故につながるおそれも」
今年6月に行われた米国糖尿病学会でのKahn氏(ニューヨーク州立大学)による報告です。
低血糖時に見え方の異常を経験したことのある、インスリン使用中の糖尿病患者85人を対象として調査したとのことです。
75%が目のかすみを経験していたほか、視野が暗くなる(46%)、視野の中心が見えなくなる(37%)、浮遊物が見える(35%)、ものが二重に見える(18%)など多彩な症状を訴えおり、2%は一時的に全く見えなかった(一過性黒内症)とのことです。
対象者のうち、糖尿病網膜症の診断を受けていたのは半数程度しかいなかったとのことですので、眼科で定期的に行う眼底検査だけでは低血糖時の症状を予測するのは困難です。
Kahn氏らは、「特に無自覚性の低血糖を呈する患者では、低血糖による視覚障害が重大な事故につながりかねない。こうした患者では、血糖値の注意深いモニターが不可欠」と締めくくっておられます。
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